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先日2台めのPomera DM200を手に入れたので、これを機にひたすらこのキーボードの塊について、DM100との違い、進化点についてなど書きたいと思います。
1台目のDM200は発売後すぐに購入したのですが、ブログで紹介する前に出先で紛失してしまい書けずじまいでした。その後1年近くポメラ無しの生活を送っていたのですが、特にメインマシンがMacBook Proということもあり、長文を打つときにポメラのあの最上の打鍵感と「物を書いている感」への渇望も臨界点に達し、ついに2台目を買った訳です。
二度書いするものこそ本物、という持論ですが、過去に2度も3度も買ったものは数少ないながら、「無くして初めてその良さに気づく」訳です。
ポメラDM200
DM200とDM100との違い
個人的にはむしゃくしゃするほど不満点の多かった前モデルDM100。何が嫌だったというとまずもって「外観の材質」。これについては発狂しそうなくらいでとにかく背面に触れるたびに一瞬で手垢がつきまくり、見るたびにテンション下がるというか、どれだけ手垢を拭いても拭いても、その後ちゃんと手を洗って触っても、気づくと元通りの手垢まみれ。
「なんで俺の手はこんなに脂っこいんだ」と自暴自棄にすらさせる始末。調べたら自分だけじゃなかったのでホッとしましたが。
DM100を見るたびそれが残念で、唯一で最大の欠点に白目むきそうでした。
材質が改善され手垢とおさらば
DM200では、見事にその欠点が改善され、全く手垢が目立たない材質(コーティング)に変わりました。これはとても大きな変化です。素直にこれだけも買いです。
謎の突起がなくなった
DM200では形状もシンプルになりました。これこそまさに本物こそが持つ「機能美」。DM100の謎の右の突起(巨大なストラップホール?)もなくなりました。これも朗報であります。
なんかどこかに未来感を出したかったのか、なぜなんだKING JIM。。とにかくあちこちにコレジャナイ感が垣間見える迷機だったDM100。それでも打鍵感は極上でしたが。
重くなって塊感が増した
そして大きな変更点、「総重量が140gも重くなりました」。
DM100の440gに対してDM200は580g。なんと140g、実に25%近くも重くなっています。ここまで重くなると、手に持った時に明らかにずっしりとした重量感を感じます。しかし突起もなく四角ばってるのでこれが塊感を感じて、とても高級な物体である雰囲気を醸し出すのです。この点は賛否あるようですが、僕的には大々歓迎。
これがスマホなら重くなったと大騒ぎ間違いなし、でしょうが、これはテキスト入力専用機なのですから、重くなったとして、本来の性能強化の効果があるのならこれは間違いなく「進化」なのです。
重量が増したおかげで、タイピング時の安定性が一文字打てば分かるほど明らかに、飛躍的に向上しています。ずっしりとした塊感、これはキーボードの塊だ。
取り回しの良さをとるか、タイピング安定性をとるか、KING JIMさんこの製品ユーザーの気持ちを分かってる、というかポメラはどうあるべきか、に対してポメラの原点回帰、英断とも言える答えがこれだと思います。素晴らしい。「あえて重くした」。これだけでも買いです。
電池が乾電池(エネループ)から充電式リチウムイオンに
電池も正当進化しました。エネループも使えたDM100でしたが、これはなかなか電池もちが悪くて心もとない、安心してじっくり物を書くことに集中できる、とは言い難いバッテリー性能でした。
DM200はリチウム電池なので、充電可能。困ったらモバイルバッテリーをつなげば良いので安心してじっくり、際限なく物を書けます。
液晶画面の大型化
液晶が広々と大きくなりました。
DM100の5.7インチに対し、DM200ではなんと7インチ。広々とした液晶は快適そのもの。DM100の液晶の両サイドにあった(邪魔な)6つのボタンもなくなり、目に見える部分が液晶画面のみになったのがとても大きい、見やすく集中しやすくなりました。
日本語入力変換エンジンが飛躍的に向上
DM100はお利口さんとはお世辞にも言えなかった組込版ATOKが、DM200ではATOK for Pomera(Professional)となり、プロフェッショナルと冠がつくだけあり変換精度は、すぐに体感できるほど段違いに向上しています。
お利口さんになりました。「ぽめら」と打っても「ポメラ」とちゃんと変換されるようになりました。「歩目等」じゃなく。
Bluetooth接続
Bluetooth接続でiOS/Androidの外部キーボードとしても使用できるように。(DM100はiOSのみ)まあこれはあまり使う人はいない気がしますが、、
QRコード転送強化
image:公式サイト
なんだかんだ言ってポメラで作成した文書はQRコードでまずスマホに送る、ことが圧倒的に多いので、16分割までしかできなかったQRコードが最大99分割に増えたことは嬉しいです。
QRで送る作業は、ポメラユーザーにとってはアナログながら、ポメラならではの儀式を行う至福のひとときでもあります。
せっせと作った文書が、QRに変わってスマホに移動していく様は言葉では表現できない、ポメラ独特の文化における情緒ある風景なのです。
無線LAN搭載
シリーズ初の無線LAN搭載。アップロードによるEvernoteなどのクラウドサービスへの「メール送信」。(なぜメール送信なんだ)
ポメラSyncは双方向編集可能ですが、なぜかGmailアカウント必須などなど。ポメラSyncの設定もかなりの高難易度なので、これだけでひとつ記事が必要になります。
無線LANへの対応は素直に嬉しいですが、とにかくKINGJIMはこの辺の処理が、弱いというか、とにかくまどろっこしいです。正直。DM200での不満点といえばこれのみですね。
もっと直感的なファイル同期が実現できると思うんですが、ということでやっぱり「QRコード」での送信がメインとなりそう。無線周りの貧弱さというのは否めません。
アウトラインフォントの見やすさ
表示フォントがDM100のBMPフォントからキザつかないアウトラインフォントのモリサワ「UD新ゴR」と「UD黎ミンR」が搭載され、テキストが美しく表示されるようになりました。とても満足度が高いです。
地味に嬉しいアウトライン
7インチの広くなった液晶を生かして、アウトライン形式の文書を作成可能になりました。これは巨大な文書を書く時や小説などを書くとき、威力を発揮します。
重量級の文章を、長年かけて育んでいく。
そんな延々と続いていくテキストと心置きなく向き合えるようになったアウトライン機能は大きな進化と言えるでしょう。
シンプルで質実剛健、本来のあるべき姿を取り戻したDM200
余計なものが削ぎ落とされ、「テキスト入力に必要なもの」をのみを追求し研ぎ澄ましたDM200。本当に素晴らしい「文章執筆専用機」の逸品へと昇華しました。
この佇まいは、手に馴染んだ万年筆のような、長年使い込んだ手帳のような、時を超える相棒のような関係性を持てるものだと思います。
この逸品で、物を書く幸せ。読書体験をかけがえのない物にするKindleにも共通することですがPCやスマホのように通知などという邪魔者もなく、インターネットにも繋がらない不自由さが、「物を書くという創作活動」への没入感と集中力を高め、それがまさにより良い文章を生み出すための極上の環境であると言えます。
「これじゃないとだめ」という物がここにある
人生において、物との出会いは数知れませんが「これじゃないと」という自分にとって「代わりのきかない物」との出会いはいくつあるでしょうか。
そんな物とひとつでも多く出会いたいと、切に願っていろんなものを買い、そしてブログまで書いている訳ですが、ポメラDM200、こいつはまさに「DM200じゃないと」と思わせてくれるのであります。
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